ナルキッソス3 -Die Dritte Welt- 感想


ナルキ3は続編と言うよりも、ファンディスクと言った方がいいね。
本質的にはナルキだが、メイン筋ではないみたいな。複数ライター制だしね。
ナルキ1、2と感想書いてきたが、相変わらず書きにくい。言葉にしにくいんだよな。
感想を書きにくいってのもあるし、点数と付けたくない作品なので、ゲーム感想に入れてないんだが、
かなりプレイして欲しい作品ではあるんだよな。特にナルキ1。
てことで、ネタバレ含んでそうだけど以下感想。
姫子エピローグは、コミケ小説と同じなので割愛。

絶望の花嫁  Scenario:ごぉ

医師側から見たナルキッソス。
ナルキ1と同じ時期の話。
ひまわりはやってないけど、ごぉさんのテキストはいい感じ。
ナルキらしいと言えばナルキらしく、
だが、答えが出なさすぎる面は、答えがないからなのか、ごぉさんの若さ故か。。。
なにも分からないが、なにかを得たような、知ったような感じがある。
だけど、実感はなく、現実がそこにある。
理由はともかく、行った結果がそこにある。という感じかも。
よく表現できない。
海璃も英治も相手になにか残したいとかではなく、
海璃のわがままも、英治の幸せについての考えも、
結局自分が納得したかったから行ったのだと思う。

-Ci-シーラスの高さへ  Scenario:酸橙ひびき

7Fへ行くまでのナルキッソス。
時期的にナルキ2の前。
7階にいくまでの人の感情と覚悟。
病状が進行していないからこその悩みと苦悩。
ノリが120円ぽく、言葉のやりとりでの会話がおもしろい。
ベースが明るい感じで進むので、逆にシリアスなセリフが鋭く威力がでかい。
「わたし、7階行きだって」ってセリフの鋭さが、
嘘精算計画のせいで高まって、反転具合が見事だった。
後藤麻衣さんの演技力も相乗してとてもよかった。
そして後読感。あ〜としか言えない後読感。
てっきりエレベーターのドアをこじ開けるのかと思ったが、
そこまでいくとドラマでナルキじゃない。
最後に好きと伝えれば良かったかなってのか、らしくそして切ない。
エピローグのお兄さんの絵は、何を示していたんだろうな。
この絵で、いつまでも二人で空と雲について語り続けているということを指しているのか、それともただ道を示しただけなのか。ちょっと二人の感情が読み取れないな。
「…それじゃあ、死んでくる」は衝撃的だったが、
次はボイスなしで、もっかいやろうかな。

メサイア  Scenario:早狩武志

男同士の友情ナルキッソス。
今まで病にかかるのは女の子側(ナルキ1は両方だけど)だったので、新鮮。
BL臭を感じてしまったのは、俺の心が汚れているからだろう。
バイクが出てきた時点で、1980を思い出したし、
プロローグの存在もあったし、薄々感づいていたが、これはまた泣けるな。
人は等しく、死も等しく、いつかは死ぬ。
他人を羨み憎む、自分を嫌悪する。
残されるものの感情。急な死の訪れ。
同じ題材でこうも死生観が、違うというのはおもしろいな。
死生観は年齢によって似てくるではなく、
経験の量によって、収束されていくかんじがする。

小さなイリス  Scenario:片岡とも

銀色1章に朱のエッセンスを加えたら、イリスができたかんじ。
ベースは銀色だが、イリスはラッテと近い感じがする。
イリスの物語なんだが、ヨハンの物語でもあるみたい、つかヨハンの物語がかなり重要か。
名無しは自身が生きているのか疑問を持ち、
生きていながら死んでいる、実際死んでいないが生きてもいない。
生きた証が欲しかった。
小さなイリスは誰か『必要』とされるからこそ、人である、という自論。
だが、牢獄の生活で小さなイリスは死に、生へ執着するイリスとなった。
生きていたいのではなく、死にたくない。目的もない。
ただ死ぬ運命だとしても、それを受け入れたくなかっただけ。
たしかに感ずるものがあり、なにかを知った分かった感じはあるのだが、
いかんせん言葉にできない。あとで加筆修正するかも。

1993

以前ともさんが日記で書いていた、公園での警備員バイトの話。
どこからどこまでがノンフィクションでフィクションなのかは分からない。
ただたしかに、ともさんの作風には、これが息づいているのは分かる。
ただの経験として読み解くことはできるが、
きっとみんな経験するであろうこともある。
それを見せられた感じだ。何とも言えない。
1980でいい大人は少ないけれどいるって、
言っていたのを1993で再確認しているのか。
1980では、死ということを目の当たりにした現実と、ホスピスという存在と、家族のこと。
それに患者の気持ち、死生観が1993に加わり、患者の家族の気持ちと、患者自身が考えている悩みや気持ちが、両方加わり、こうしてナルキが誕生するのか。
これはともさんでしか書けないモノだわ。