ブランド | ねこねこソフト |
---|---|
発売日 | 2003年6月13日 |
ジャンル | シリアスビジュアルノベル18禁 |
原画 | 秋乃武彦 |
シナリオ | 片岡とも / 東トナタ / 高嶋栄二 |
音楽 | feel / milktub / SoundUnion Ebi / zerverius / 高瀬一矢(I’ve) / まにょ(Little Wing) / 細井聡司(hosplug) / 水月陵 / YUKI NAKANO |
ムービー | tsukune./ Iris motion graphics |
シナリオ
銀色の続きを描いた作品。
「眩しかった日のこと、そんな日のこと…」
な、はずなんだけど、どうにも薄い印象。
一本道の4章構成。合間に特殊な章がある感じ。
銀色よりプレイ時間は長い。
上下黒帯でオートプレイ推奨。映画みてる感じに進む。
物語としての完成度は高い。
ルタの眷属や砂漠の世界観はよく出てたし、物語の構成もよくできてた。
でも銀色みたい重くもなく、欝でもなく、普通に話が進んでいったような感じ。
どうにも琴線に触れるようなシーンもなく、物語の起伏も緩かったように感じた。
テキスト
特にクセなく普通。
一回に出るテキスト量を調整してるのかな?
オートプレイがちょうどよかった。
ともさんが、「〜日のこと、そんな〜日のこと」を銀色のように多用しなかったので、
なんからしさがなかった。あまり効果的に使えてなかったし。
グラフィック
量も多くて綺麗。
特に作品の雰囲気がよく伝わる背景がよかった!!
上下黒帯で映画っぽく仕上げているので、よりいい感じだった。
カダンとアラミスが砂漠を歩くときの、太陽から二人が歩く姿を頭上から見下ろすイベント絵への演出がほんとよかった!!!!
そのとき流れる「砂の城」がベストマッチで、ここが一番好きなシーンかもしれない。
立ち絵
そこそこな枚数。
表情差分は少なめ。
音楽
「Desert-Duo」「砂の城」「朱」
がすばらしく最高すぎる!!!!!
「Desert-Duo」はいまさらはまって、2008年一番聴いた曲だし、
「砂の城」は朱の一番好きなシーンの曲で、こっちも何度も聞いた。
「銀砂」はねこねこにしては頑張ったOPだったので、何度もリピートして好きになってた。
歌曲だけでなく、BGMも力が入っていて作品に合っているだけでなく、単品でもいい曲だった。
操作性
Nスクだけど、改造が進んで前と比べたら使いやすくなったな〜。
スキップ速め。
セーブスロット60個。
ロード時バックログ生きてる。
他と比べたら、設定項目少ないし既読スキップないし、使いにくい。
ムービー
まさかのアニメーション!!!!
金をかけるところ間違えてるよ!!!
作品の雰囲気はまぁ伝わるし、見せとしてはいい出来だね。
章別感想
なんか書きにくかったんで流し書き。。。
第1章
銀色を踏襲してるけど、浅いな〜。
絆とかも見せてたけど、重みがない。
朱全部通してのロジックのために、各章がおろそかになるパターン。
朱章に続くけど、正直他の章もそうだけど、章単体でも終わらせて欲しかったな。
第2章
なんだこの救われない話!!!!
ターサはへたれだな。チュチュはターサと一緒にいられればそれでいいと言っているのにさ。
自分はチュチュを守り通せる。幸せにするという力と心がなかっただけじゃないか?
第3章
とことん死亡フラグ立てて、ほんとうにあっさりやられた。
なんという定型。しかもやられるの速すぎ!!!ヤムチャか!
しかしファウはエロイな〜、おまけでもエロかったし。
ファウってねこねこ至上一番エロいキャラなのではないだろうか……
朱章
ここでようやく救われない話の連続だった朱の物語に、光明が差し込む。
朱章まで引っ張ってくるっているのもありだろおもうが、
個人的には、各章のエピローグでやってほしかった。時系列的に無理だけど。
それでもアラミスって不幸なヒロインだよな〜。
第4章
ラッテって案外ウザいな。箱入りだからしかたないとはいえ……
銀章
二つが同時進行していくさまはうまかったな。
特に音楽や歌曲の使い方は絶妙だった
ルタが銀糸を託すシーンで、「想い -風に舞うしるべ-」が流れたときは鳥肌モン!!!!
最後の第1章と同じ、カダンとアラミスが共に記憶を消そうとするシーンはよかった!!
もう二人とも記憶を消すというか、本当の自分の証を手に入れて消すわけがないが、
でも儀式的にこれをやらないとけじめがつけられないのかもしれないね。
「それでは……」で終わったけど、エンディングの二人が踊っているCG見る限りだと、記憶を消さなかったのでいいはず。
エピローグ
石切救済用シナリオなのか?
銀色のほうの銀糸はもう願いを果たして消滅してるし、
朱のほうの銀糸に石切が縛られる必要は正直ないんだけどね。
最後のラッテとの会話を見ても、これで本当に銀糸から解き放たれたってことかね。
サイドストーリー
ねこねこファンディスク2のほうは、ラッテがルタを名乗ってから数十年後のこと。
不老不死ならば避けては通れない、送る側の悲しみ。
ドゥムジの親父を間接的にだが、手にかけたからなおさらか。
ここで特によかったのはマィラを補完してくれたこと。
最後のダンスシーンはほんと泣けた(TдT ) ウゥ…
おかえしCD5のほうはナンディニの話。
ナンディニの元へ返す還す者を送ること、還す者はルタの優しさだと本当の意味で分かる話。
この話は切なすぎた。。。
癒しの者であるカティアの母は、今ナンディニが使っている身体だと知ったときの衝撃はすごい!
母の姿をしたナンディニと過ごしながら、健気に世話をするカティア。
自分もまた入れ替わるのに……切ない。
こんなことがあったら、ナンディニは傷ついてしまうよな。
これ以上癒しの者を送らず、還す者を送ったのは、確かにルタの優しさだ。
なんかサイドストーリーのほうが好きだったり。
総評
銀色は銀糸を巡り、人の願いについて言及されていたが、朱はなんだろね?
ルタの眷属っていう一貫性はあったが、それも銀糸の追加成分みたいなもんだし、どうも背景が薄い。
銀糸をそのまま出して新しいテーマの元、物語を作るか、
カダンとアラミスのように記憶や絆、証をテーマに物語を作ったほうがよかったと思う。
どうにも銀糸が絡んでしまったことにより、テーマがずれているというか、噛み合わない印象があった。
音楽や演出にすごく凝ってて、雰囲気は十二分に伝わってきたが、
それに見合うシナリオと展開がなかったのは残念。